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RM建築 高い耐震性と美しい外観を実現するRM建築に対応します。

アールエム建築(RM建築)

アールエム建築とは、その構造が平成15年国土交通省告示第463号に規定される「鉄筋コンクリート組積造」による中層までの建築のことです。この新しい構造は、1984年から始められた、建設省建築研究所(現・国立研究開発法人建築研究所)を中心とする、国内の産学官連携による、大型耐震実験研究の成果として開発されたもので、研究段階ではRM構造という名称でした。組積造は、地震に弱いという歴史がありましたが、RM構造はコンクリートと鉄筋によって補強された組積造で、鉄筋コンクリート造と同等の耐震性を有することが実験研究を通じて実証されています。
補強(された)は英語ではreinforced、また組積造はmasonryですから、頭文字をとってRM構造、また、それによる建築をアールエム建築と呼んでいます。
アールエム建築は、構造的には鉄筋コンクリート造と同等の耐震性を有しますが、意匠上は石造やれんが造など、素材のままで美しい外観を実現することができます。
構造外皮となる組積ユニットは、内部の鉄筋コンクリート部分を保護する役目も果たし、結果として非常に高い耐久性をもつ建築が実現します。

RM建築の実施例

RM実大5階建試験体

RM実大5階建試験体

マンション高崎ラフィーネ

マンション高崎ラフィーネ

大森東公営住宅

大森東公営住宅

江別市道営住宅集会所

江別市道営住宅集会所

RM早稲田

RM早稲田

長谷工厚木ハイテクセンター

長谷工厚木ハイテクセンター

RM構造の特徴

RM構造は高度の耐火性能はもちろん、従来のコンクリートブロック造、れんが造、石造などの組積造および鉄筋コンクリート造(RC造)と比較して、以下のような優れた特徴があります。

(1) RC構造と同程度の高い耐震性能
(2) 伝統的なれんが造、石造が示すと同程度の高い耐久性能
(3) あらゆる敷地条件に対応できる施工システム
(4) 美しい外観とメンテナンスフリーな仕上げが構造体と同時に実現
(5) 断熱性、耐結露性などの居住性能の高度化を実現

アールエム建築(RM建築)とは
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1RM構造とは/鉄筋コンクリート組積造とは

RM造の耐力壁、壁ばりおよび耐力壁・壁ばり接合部などのRM構造部材とRC造のスラブ、基礎ばり(RM造でもよい)および基礎スラブによって構成される構造のことをいいます。
この構造は、平成15年国土交通省告示第463号に規定される「鉄筋コンクリート組積造」と同義です。

2組積ユニット/RMユニット

RM構造部材とは

組積ユニット(RMユニット)を組積し、その空洞部に補強筋を配置して、
グラウト材を全充填することにより、組積ユニット、補強筋およびグラウト材が
一体となった部材をいいます。

コンクリートRMユニット

コンクリートRMユニット

れんが(セラミック)RMユニット

れんが(セラミック)RMユニット

配筋状況

配筋状況

3RM構造の構法

在来の組積造などと比べた、構法上の特徴について述べます。

1) 壁式鉄筋コンクリート構造と同等の耐力と変形能力があります。
2) 在来の組積造と比べて、壁量が少ないので開口を大きくとれること、
またプラン設計の自由度が増します。
3) 在来の組積造では、梁はがりょう(臥梁)として鉄筋コンクリート
としなければなりませんでしたが、RM構造では梁についても
RM造の壁梁とすることができます。
この結果、外観上も意匠設計の自由度が増します。
4) 組積壁体を階高まで積み上げて充填コンクリートを一度に打設できます。
在来の組積造では、階高を幾度かに分けて打設する必要がありました。
5) 鉄筋はどうしてもどこかで継ぎ手を設ける必要があります。在来の組積造では、
鉄筋コンクリートの基礎梁や臥梁内部に継ぎ手を設けなければなりませんでしたが、RM構造では、壁体内で継ぎ手(重ね継ぎ手)を設けることができます。
4鉄筋コンクリート組積造(RM造)の耐震性能と構造の特徴

従来の組積造と比べて、鉄筋コンクリート組積造においては

1) 5階建てまでの中層組積造建物の設計が可能(従来の組積造にあっては、3階建てまでの低層に限られる)
2) 壁式RC構造と同程度の高い耐震性能
3) 必要壁量を少なくして、開口の大きな自由度の高い設計を実現
4) 従来の組積造に必要とされるRC造の「がりょう」を不要とする。
5RM構造の耐久性能

RM構造の高い耐久性能は、構造外皮を構成する、工場生産された組積ユニット
を高品質化することによって実現しています。コンクリートユニットは高強度なもの
とし、またれんがユニットについても高品質なものとして、ユニット内部に打設される
グラウトコンクリートの中性化の進行を大きく抑制することができます。
それによって高い耐久性能の建築が実現可能です。

6組積造とは/補強組積造とは

建築の骨組みには、日本の軸組木造建築や鉄骨造建築などのように、基本部材が柱や梁などの、ある長さをもった部材(1次元部材)から構成されるもの(ラーメン構造と呼ばれます)や、あるいは北米から伝わってたきツーバイフォー工法などのように、基本部材が面材(2次元部材)で、これを段ボール箱のように立体的に組み合わせるもの(壁構造と呼ばれます)、などがあります。
組積造は、これらとは異なり、基本部材として石、れんが、あるいはコンクリートブロックのように、小さな個材(いわば、0次元部材)を縦横に積み重ねてゆくことで1枚の壁をつくり、この壁を組み立てて床を張ることで建築となります。組積造は、基本部材は小さな個材ですが、個材を積み重ねて壁を構成するので、壁構造に分類されます。
古来、日本では木材が豊富に得られたので、木造建築が発達しましたが、日本以外の多くの乾燥地帯の国々では、石、泥などを主要な建築材料としてきました。石を積み重ねた石造建築、あるいは日干しれんが(泥を型枠に入れてれんが状に成型し、それを日干しにしたもの。焼成れんがに比べると強度ははるかに低い)によるアドベ造建築、そして一般の焼成れんがによるれんが建築などが普及していますが、これらはいずれも組積造です。組積する際は、しっくいやセメントモルタルなどの接着性の良い材料を目地部分(組積する際に、個材と個材の上下、あるいは左右の境界部分を目地といい、縦方向、水平方向についてそれぞれ縦目地、横目地という)に塗りつけて個材同士を左右・上下に順次、接着させつつ組積してゆきます。

 補強組積造:組積造の基本部材である石やれんがなどの材料は、圧縮強度はそれなりにあるのですが(日干しれんがは十分な圧縮強度があるとは言い難いが)、引張強度が高くはありません。地震のない地域で、単に自重等の鉛直荷重だけが作用する場合は良いのですが、地震地帯では、ひとたび建築が地震力を受けると圧縮力だけでなく、引張力(せん断力)が作用します。この結果、引張強度に乏しい無補強の組積造はこれまでも世界各地で大変な被害を受けてきました。組積造に補強を加えることで、こういった地震災害を防ぎ、安全な建築を実現することができます。補強の方法としては、おおよそ、

1) 組積単体に穴をあけて内部に鉄筋を縦横に通す
(鉄筋コンクリート組積造や補強コンクリートブロック造など)
2) 組積壁の周囲の柱や梁を鉄筋コンクリート造とする
日本以外の国々で広く普及している枠組組積造など)

などがあります。

世界の組積造

英国の住宅 現代 Cotswolds地方

英国の住宅 現代 Cotswolds地方

米国の中層煉瓦造アパート

米国の中層煉瓦造アパート

アドベ造 ペルー高地 現代

アドベ造 ペルー高地 現代

エジプトの石造 カルナック神殿 (BC16c-BC11c) 磯崎新の建築談義(六耀社)より

エジプトの石造
カルナック神殿 (BC16c-BC11c)
磯崎新の建築談義(六耀社)より

建設中の枠組組積造(ペルー リマ市)

建設中の枠組組積造
(ペルー リマ市)

旧司法省 ドイツ・ネオバロック様式 明治28年、エンデ&ベックマン

旧司法省 ドイツ・ネオバロック様式
明治28年、エンデ&ベックマン

煉瓦の組積法 「日本の赤煉瓦」 水野信太郎 より

煉瓦の組積法 「日本の赤煉瓦」 水野信太郎 より

7打ち込み目地構法とは
1) 打込み目地構法の原理と特徴
組積造といえば、組積ユニットを積み上げてゆく際に、目地モルタルを敷いては次の段の組積ユニットを積み上げるという構法が一般的でした。打込み目地構法は、新たに開発された高品質・高精度の専用組積ユニットを用いて、目地モルタルを敷くことなしに直接組積ユニットを積み上げてゆくという構法です。打込み目地構法では、組積壁が組み上がった後に、内部に打ち込まれるコンクリートが目地部分に回り込むことによって打ち込み目地を形成します。
打込み目地構法では、目地モルタルを用いた在来構法に比べて、施工性が大きく改善されます。
2) 打込み目地構法の構造性能
在来目地構法による試験体と打込み目地構法による試験体についての比較実験によって、打込み目地構法の構造性能を確認しています。両者の構造性能に遜色はないことが実証されています。
8実施設計建物例・RM建築
評定取得建築物等リスト(昭和63年~平成7年)

RM建築 評定取得建築物等リスト(昭和63年~平成7年)

1.組積造に関する
日米共同耐震実験試験体

1)用途: 5階建実大耐震実験用建築物

2.サブリオ マンション

1)用  途: 店舗併用共同住宅
(4階建:延面積 360.12m²)
2)設  計: (株)都市建築総合設計
  構造設計: (有)野下構造設計
  施  工: (株)藤木工務店
  RM工事: メーソンセラミックス(株)
3)所在地: 倉敷市
4)共同申請: アールエム建築推進協議会
メーソンセラミックス(株)
5)評定番号: BCJ-C-1204
6)取得日: 昭和63年6月15日

3.セキスイコンクリート メーソンリー

1)用  途: 共同住宅
(3階建:延面積 654.96m²)
2)設  計: 積水ハウス(株)
  構造設計: 積水ハウス(株)
4)共同申請: アールエム建築推進協議会
積水ハウス(株)
5)評定番号: BCJ-LC-32
6)取得日: 平成2年6月25日

4.宮田マンション

1)用  途: 共同住宅
(4階建:延面積 722.00m²)
2)設  計: (株)ミサワホーム岡山
  構造設計: (有)野下構造設計
  施  工: (株)ミサワホーム岡山
  RM工事: メーソンセラミックス(株)
3)所在地: 高梁市
4)共同申請: アールエム建築推進協議会
メーソンセラミックス(株)
5)評定番号: BCJ-C-1370
6)取得日: 平成2年10月27日

5.福屋ベーカリー新築工事

1)用  途: 店舗付住宅
(4階建:延面積 292.66m²)
2)設  計: (株)案山子屋一級建築事務所
  構造設計: (有)野下構造設計
  施  工: (株)ミサワホーム岡山
3)所在地: 岡山市
4)共同申請: アールエム建築推進協議会
メーソンセラミックス(株)
5)評定番号: BCJ-C-1416
6)取得日: 平成3年4月17日

6.江別市道営住宅集会所

1)用  途: 集会所
(1階建:延面積 173.97m²)
2)設  計: (株)高岡建築設計
  工事監理: 北海道住宅都市部住宅課
  RM工事: 北海道農材工業(株)
  ユニット: 北海道農材工業(株)
3)所在地: 江別市
4)共同申請: アールエム建築推進協議会
北海道立寒地住宅都市研究所
北海道農材工業(株)
5)評定番号: BCJ-LC-356
6)取得日: 平成3年5月31日

7.永和ビル新築工事

1)用  途: 店舗
(5階建:延面積 664.33m²)
2)設  計: (株)トータルハウジングシステム
  施  工: 大末建設(株)東京支店
3)所在地: 横浜市
4)共同申請: アールエム建築推進協議会
(株)トータルハウジングシステム
5)評定番号: BCJ-C-1443
6)取得日: 平成3年9月4日

8.柳下マンション新築工事

1)用  途: 共同住宅
(3階建:延面積 139.32m²)
2)設  計: 邑人工作舎
  構造設計: MAY設計事務所
  施  工: (株)北芝建設
  ユニット: 穂積コンクリート(株)
3)所在地: 川崎市
4)共同申請: アールエム建築推進協議会
サンコーシステム開発(株)
5)評定番号: BCJ-LC-361
6)取得日: 平成3年9月20日

9.マンション ラフィーネ新築工事

1)用  途: 共同住宅
 (5階建:延面積 2314.28m²)
2)設  計: (株)SO建築工房
  施  工: 笹沢総建(株)
  ユニット: 笹沢建材(株)
3)所在地: 高崎市
4)共同申請: アールエム建築推進協議会
 (株)SO建築工房
5)評定番号: BCJ-C-1451
6)取得日: 平成3年10月16日

10.伊藤ビル 11.中沢ビル
  新築工事 (2棟同時評定)

1)用  途: 事務所住宅
(各3階建:延面積 581.96m² 伊藤ビル
          351.25m² 中沢ビル)
2)設  計: 學建築研究所
  施  工: 渡辺富工務店
  RM工事: 北海道農材工業(株)
  ユニット: 北海道農材工業(株)
3)所在地: 東京都
4)共同申請: アールエム建築推進協議会
 學建築研究所
5)評定番号: BCJ-LC-366伊藤ビル
BCJ-LC-367中沢ビル
6)取得日: 平成3年12月13日

12.長谷工厚木ハイテクセンター 管理棟新築工事

1)用  途: 事務所
(3階建 延面積 486.66m²)
2)設  計: (株)長谷工コーポレーション
(株)長岡設計
  施  工: (株)長谷工コーポレーション
  ユニット: 太陽セメント工業(株)
3)所在地: 厚木市
4)共同申請: アールエム建築推進協議会
(株)長谷工コーポレーション
5)評定番号: BCJ-C-1512
6)取得日: 平成4年5月20日

13.赤坂物産(株)本社ビル

1)用  途: 事務所
 (5階建:延面積 1776.275m²)
2)設  計: (株)トータルハウジング
4)共同申請: アールエム建築推進協議会
(株)トータルハウジング
5)評定番号: BCJ-C-1544
6)取得日: 平成4年9月8日

14.江別市道営住宅大字
 南樹町集会所新築工事

1)用  途: 集会所
 (1階建:面積 149.00m²)
2)設  計: (株)高岡建築設計
  工事監理: 北海道住宅都市部住宅課
  RM工事: 北海道農材工業(株)
  ユニット: 北海道農材工業(株)
3)所在地: 江別市
4)共同申請: アールエム建築推進協議会
北海道立寒地住宅都市研究所
5)評定番号: BCJ-LC-382
6)取得日: 平成4年9月8日

15.耳原コーポ新築工事

1)用  途: 共同住宅
 (5階建:延面積 1020.02m²)
2)設  計: コミュニティ・建築・計画事務所
  構造設計: (有)1級建築士事務所ナバス
  施  工: (株)富士工
  ユニット: 太陽セメント工業(株)
3)所在地: 茨木市
4)共同申請: アールエム建築推進協議会
太陽セメント工業(株)
5)評定番号: BCJ-C-1552
6)取得日: 平成4年12月16日

16.私立学校教職員共済組合
 那須保養所職員宿舎新築工事

1)用  途: 共同住宅
(2階建:延面積 340.33m²)
2)設  計: (株)梓設計
  施  工: (株)フジタ
3)所在地: 那須町
4)共同申請: アールエム建築推進協議会
 (株)梓設計
5)評定番号: BCJ-LC-394
6)取得日: 平成5年6月16日

17.大森東1丁目団地B棟及び
 集会所建築工事

1)用  途: 集合住宅
 (4階建:延面積 1459.64m²)
集会所
 (2階建:延面積 124.01m²)
2)設  計: 住宅都市整備公団 東京支社
(有)山下和正建築研究所
山辺構造設計事務所
  工事監理: 住宅都市整備公団 東京支社
  施  工: (株)長谷工コーポレーション
  ユニット: 太陽セメント工業(株)
3)所在地: 東京都
4)共同申請: アールエム建築推進協議会
住宅都市整備公団 東京支社
5)評定番号: BCJ-C-1682
6)取得日: 平成6年3月16日

18.建設省建築研究所構法
 実験棟新築工事

1)用  途: 実験棟(2階建:延面積 319m²)
2)設  計: 建設大臣官房営繕部営繕計画課
筑波研究学園都市施設管理センター
(株)久米設計
  施  工: (株)巴コーポレーション
  ユニット: 太陽セメント工業(株)
3)所在地: つくば市
4)申請: 建設大臣官房営繕部営繕計画課
筑波研究学園都市施設管理センター
5)評定番号: BCJ-C-1741
6)取得日: 平成6年10月9日

19.新金岡コーポ新築工事

1)用  途: 共同住宅
(5階建地下1階:延面積 1535.40m²)
2)設  計: コミュニティ・建築・計画事務所
 ユニット:太陽セメント工業(株)
3)所在地: 堺市
4)共同申請: アールエム建築推進協議会
太陽セメント工業(株)
5)評定番号: BCJ-C-1766
6)取得日: 平成6年12月21日

20.井上邸新築工事

1)用  途: 住宅
(3階建地下1階:延面積 235.04m²)
2)設  計: (株)アークポイント
(株)加藤正之建築研究所
  施  工: (株)渡辺富工務店
  ユニット: 穂積コンクリート(株)
3)所在地: 東京都
4)共同申請: アールエム建築推進協議会
(株)アークポイント
5)評定番号: BCJ-LC-416
6)取得日: 平成7年2月6日
9RM構造の開発経緯

鉄筋コンクリート組積造(RM造)建築物の構造設計指針・同解説の序文にRM構造の開発経緯がまとめられていますので、参照してください。

鉄筋コンクリート組積造(RM造)建築物の構造設計指針・序鉄筋コンクリート組積造は、鉄筋コンクリートの持つ高い耐震性と施工性および組積造の持つ伝統的な特徴を合わせ持った建築物である。組積造は石、れんがやブロックなどの組積造ユニットを積み上げて構造体を作ることを基本にしており、世界的に広く普及している。
しかし、これらの伝統的な組積造は、日本のような地震国では耐震性の観点からそのまま適用するのが難しく、何らかの適切な耐震補強が必要となる。そこで、建設省建築研究所を中心とした日米共同研究プログラムの第三フェイズとして組積造の耐震研究が取り上げられた。
その研究対象として、組積造の良さを生かしつつ、その内部に鉄筋を配筋しコンクリートを打設するRM構造(Reinforced Masonry造)が選ばれ、その耐震性が検討された。

日米共同研究は、1979年以来、天然資源の開発利用に関する日米政府間会議(耐風・耐震構造専門部会)の賛助のもとで日本側は当時の建設省建築研究所が、米国側は国立科学財団(NSF)が中心となり、産、学の協力を得て、日米共同大型耐震実験研究が進められている。
RM構造は、1984年から1988年までの5ヵ年間にわたって開発・研究が行われた。
研究は材料、構造部材などの基礎的実験から始めて、複合部材、構面レベルでの構造実験、また各種の施工実験を実施した。
1988年には、実大5層RM構造建築物を建築し、実大規模での耐震性の検証実験が行われた。これらの結果をもとに、中層RM構造設計指針案ならびに中層RM構造施工指針案がとりまとめられた。

研究に当たっては、日本側は日米共同組積造研究推進委員会(委員長梅村 魁東大名誉教授)、組積造国内技術調整委員会(委員長 岡田恒男 東大教授)および組積造構法委員会(委員長 上村克郎宇都宮大学教授)を(社)建築研究振興協会内に設置して行われた。1989年には、この日米共同組積造研究推進委員会を母体として、RM構造の実用化と普及を目的としたアールエム建築推進協議会(会長 上村克郎 前出)が設立され、この協議会を中心にしてRM構造の普及が図られると共に、建築研究所、(社)建築研究振興協会との共同研究協定のもとに、先に提案された設計指針案および施工指針案の見直しが行われ、1991年11月に中層RM構造設計指針・同解説およびRM構造施工指針・同解説、1993年3月にはRM構造施工管理マニュアルが完成した。さらに施工の合理化を図った打込み目地中層RM構造設計指針・同解説がほぼ同時に完成した。1997年5月21日には低層RM構造設計指針・同解説も完成した。

アールエム建築推進協議会は、RM構造の普及に努め、全国で多数のRM建築が建築された。
アールエム建築推進協議会はその任務を終了したとして1999年3月に解散し、その業務の一部を、(社)建築研究振興協会に移管した。その後、建築基準法の改正とともに、鉄筋コンクリート組積造の構造方法の告示化の可能性が出て来たことから、2001年7月より、(社)建築研究振興協会内にRM技術検討委員会(委員長 山本康弘)を設けRM建築技術資料の作成を開始した。この技術資料はRM構造設計指針・同解説および鉄筋コンクリート組積造(RM造)工事標準仕様書・同解説からなっており、これらは、先の中層RM構造設計指針・同解説、RM構造施工指針・同解説および打込み目地中層RM構造設計指針・同解説を基にして、これからのRM構造のあり方を考慮に入れて、普通目地構法に打込み目地構法を加えた形とした。

RM技術検討委員会はさらに多くの方々の意見をとりいれることが出来るように2002年の10月にRM建築技術資料編集委員会(委員長 山本康弘)として拡大再編して資料の検討を行い,RM建築技術資料として今回完成したものである。これらの資料は、2003年4月28日に制定された国土交通省告示第463号(鉄筋コンクリート組積造の構造方法の告示)および関連する告示に対応するようにしたもので、鉄筋コンクリート組積造(RM構造)設計指針ならびに鉄筋コンクリート組積造(RM構造)工事標準仕様書の2部構成になっている。

鉄筋コンクリート組積造(RM構造)は壁式鉄筋コンクリート造と同等程度の高い耐震性を有すると同時に、伝統的な組積造の持つ高い耐久性、耐火性、高品質であるとともに、美しい外観が躯体工事と同時に実現出来、狭い敷地に柔軟に対応出来るなどの長所があり、これらの特徴を生かしたRM建築が早急に普及し日本の住生活が一層豊かになることを期待するものである。

2003年9月RM建築技術資料編集委員会 委員長 山本康弘

鉄筋コンクリート組積造(RM造)建築物の構造設計指針・同解説の発刊に当って平成15年4月28日に、建築基準法施行令第八十条の二第一号の規定に基づき、鉄筋コンクリート造の建築物又は建築物の構造部分で、特殊の構造方法によるものとして、鉄筋コンクリート組積造の建築物又は建築物の構造部分の構造方法に関する安全上必要な技術基準が、平成15年国土交通省告示第463号(鉄筋コンクリート組積造の構造方法の告示)の第一から第十一に、また、同令第三十六条第二項第二号の規定に基づき、耐久性等関係規定が同第十二に定められた。
さらに、建築基準法第三十七条の規定に基づき、平成12年建設省告示第1446号にセラミックメーソンリーユニットが指定建築材料として規定され、また、建築基準法施行令第九十四条及び第九十九条の規定に基づき、平成13年国土交通省告示第1024条に組積体(鉄筋コンクリート組積体を含む)の許容応力度および材料強度が規定された。

これらの告示にいう「鉄筋コンクリート組積造建築物」とは、主として「RM造建築物」を指している。
「RM(アールエム)構造」とは、1984年度から1988年度の5ヵ年にわたり、日本と米国の間で進められてきた日米共同研究(日本側は建設省建築研究所(当時)が中心となり産学官での国内共同研究体制のもとで実施)、および同共同研究の終了後の1989年度以降「アールエム建築推進協議会」によって継続された研究によって、日本側で開発された新しい鉄筋コンクリート組積造の構造方法の一つである。

今回、鉄筋コンクリート組積造に関して制定された一連の告示に基づいて、総合的な開発研究の成果としてすでに完成している「中層RM構造設計指針・同解説(1995年12月版)」の内容を見直すと同時に、告示の条文との関連付けをして再編集したのが本書である。

平成12年の建築基準法の改正に至る以前においては、RM構造建築物は建築基準法に規定されない特殊な構造として、同法第三十八条の「特殊の材料又は構法」による建築物として扱われ、同建物の構造安全性の確認には大臣認定の手続が必要であった。1989年5月に設立された「アールエム建築推進協議会」では様々な活動を通じて、本構法の普及を図ってきた。
同協会の活動期間約10年の間に建設されたRM構造建築物は、戸建住宅から5階建て集合住宅まで合わせて20数棟である。
この期間は、新しい構法としてのRM構造の一般的普及に先立つ、構造のみならず施工も含めた構法全般の実証期間と見ることも出来るだろう。

RM構造の大きな特色は、「打込み目地構法」である。従来、組積造というと、組積ユニット(コンクリートブロック造におけるコンクリートブロック単体に相当)同士を、目地モルタルを敷きながら組積してゆくのが一般である。この方法では、組積ユニットの寸法の精度が多少悪くても、目地モルタル部分で寸歩誤差を調整できるという利点があるものの、現代社会では組積作業に手間暇がかかるという大きな問題がある。打込み目地RM構法については、先述の「アールエム建築推進協議会」の研究活動の一環として、一連の材料およびに構造実験が実施され、その構造性能が確認されており、建設実績もある。

本書では、在来の目地モルタルを用いるRM構法に加えて、工場での組積ユニットの製作精度が高いものを対象として、目地モルタルを必要としない「打込み目地RM構法」も扱っている。

打込み目地RM構法の他、RM構造の構法的特徴は以下のとおりである。

1) 従来3階建てまでという制約のあった補強組積造に対して、5階建てまでの中層RM造を実現。
2) 壁式鉄筋コンクリート造建築物と同程度の高い耐震性を有する。
3 より開放的で自由な設計を可能にするために、従来の補強組積造などと比べて壁量の大幅な低減が可能。
4) 鉄筋コンクリート造の臥梁(がりょう)を用いずに、RM造の壁梁が可能。
5) RC構造や壁式RC造、その他の構造との併用構造も可能。
6) RMユニットは、コンクリートRMユニットとセラミックRMユニットの両者が適用可能。
7) 施工の合理化を目指し、組積ユニット内での鉄筋の重ね継手やグラウトコンクリートの階高充填が可能。

鉄筋コンクリート組積造に関する構造方法の告示化を機会に、RM構造が設計者・施工者、さらには一般のユーザーにも広く理解され、同構造の普及と健全な発展を願うものである。

平成15年10月1日
RM建築技術資料編集委員会・構造分科会委員長
山﨑 裕

10鉄筋コンクリート組積造(RM造)建築物の
構造設計指針・同解説の販売

・鉄筋コンクリート組積造(RM造)建築物の構造設計指針・同解説
5,500円(税込み)
(会員 5,000円(税込み))

・鉄筋コンクリート組積造(RM造)工事標準仕様書・同解説
3,500円(税込み)
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11鉄筋コンクリート組積造(RM造)建築物の
構造設計指針・同解説(目次)

R M 造 建 築 物 の 構 造 設 計 指 針 ・ 同 解 説

( 目    次 )

第Ⅰ編 関連基準/告示
第1章 関連する建築基準法・同施行令条文および関連告示
第2章 告示の解説
  2.1 告示の概要
  2.2 鉄筋コンクリート組積造の構造方法
第3章 告示と本指針の関係

第Ⅱ編 RM造建築物の構造設計指針・同解説
第1章 総則
  1.1 適用範囲
  1.2 用語の定義
  1.3 目標とする耐震性能
  1.4 設計の流れ
  1.5 他の構造との併用

第2章 材料の品質および組合せ
  2.1 RMユニットの品質・形状
  2.2 RM組積体および打込み目地RM組積体
    に用いるコンクリートおよびモルタルの品質
  2.3 RM組積体および打込み目地RM組積体の設計基準強度
  2.4 RM組積体および打込み目地RM組積体に用いる材料の組合せ
  2.5 RC造部分のコンクリートの品質
  2.6 鉄筋および鉄線の品質

第3章 許容応力度および材料強度
  3.1 RM組積体および打込み目地RM組積体の許容応力度および材料強度
  3.2 RC造部分のコンクリートの許容応力度および材料強度
  3.3 鉄筋および鉄線の許容応力度および材料強度

第4章 材料の定数
  4.1 RM組積体および打込み目地RM組積体の材料定数
  4.2 コンクリート、モルタル、鉄筋および鉄線の材料定数

第5章 基本計画
  5.1 建築物の規模
  5.2 平面形状および立面形状
  5.3 耐力壁の配置
  5.4 耐力壁の構造
  5.5 耐力壁の小開口規定
  5.6 壁ばりの構造
  5.7 小ばり
  5.8 スラブ
  5.9 片持ち部材
  5.10 基礎および基礎ばりの構造
  5.11 耐力壁・壁ばり接合部の規定
  5.12 その他の構造規定

第6章 構造計算の基本事項
  6.1 荷重および外力とその組合せ
  6.2 応力および変形解析
  6.3 層間変形角の検討
  6.4 剛性率および偏心率
  6.5 基礎の浮上りの検討

第7章 部材の許容応力度設計
  7.1 設計用応力
  7.2 耐力壁の許容応力度設計
    7.2.1 設計方法
    7.2.2 耐力壁の許容曲げモーメント
    7.2.3 耐力壁の許容せん力
    7.2.4 耐力壁の配筋規定
  7.3 壁ばりの許容応力度設計
    7.3.1 設計方法
    7.3.2 壁ばりの許容曲げモーメント
    7.3.3 壁ばりの許容せん力
    7.3.4 壁ばりの配筋規定
  7.4 小ばりの許容応力度設計
  7.5 スラブの許容応力度設計
  7.6 片持ち部材の許容応力度設計
  7.7 基礎ばりの許容応力度設計
  7.8 耐力壁・壁ばり接合部の設計
  7.9 屋上突出物の設計

第8章 耐力壁の水平断面積および曲げ補強筋量の確認
  8.1 設計ルート1における耐力壁の水平断面積の確認
  8.2 設計ルート2における耐力壁の水平断面積および曲げ補強筋量の確認

第9章 保有水平耐力の検討
  9.1 基本方針
  9.2 構造特性係数 (Ds ) の設定
  9.3 保有水平耐力の計算法
  9.4 部材の終局強度
    9.4.1 耐力壁の終局強度算定式
    9.4.2 壁ばりおよび基礎ばりの終局強度算定式
  9.5 部材の靭性設計
    9.5.1 耐力壁の靭性設計
    9.5.2 壁ばりおよび基礎ばりの靭性設計
    9.5.3 耐力壁の小開口周囲の補強
    9.5.4 耐力壁・壁ばり接合部のせん断強度の検討
  9.6 総曲げ抵抗モーメントおよび部材のせん断強度の検討
    9.6.1 総曲げ抵抗モーメントの検討
    9.6.2 部材のせん断強度の検討

第10章 基礎構造
  10.1 基礎構造

第11章 鉄筋の継手、定着、かぶり、および配筋要領
  11.1 鉄筋等の継手
  11.2 鉄筋の定着
  11.3 かぶり厚さおよび鉄筋間隔
  11.4 各部材の配筋要領
    11.4.1 耐力壁の配筋要領
    11.4.2 壁ばりの配筋要領
    11.4.3 耐力壁・壁ばり接合部の配筋要領
    11.4.4 目地筋の配筋要領
    11.4.5 基礎ばりの配筋要領

RM構造計算例(3階建個人住宅)
RM構造計算例(5階建集合住宅)
付録 関連する指針類の前書・委員等

12RM構造の計算例(3階建個人住宅の場合及び
5階建集合住宅の場合)

「鉄筋コンクリート組積造(RM造)建築物の構造設計指針・同解説」の巻末に、
RM構造計算例として、以下のような3階建個人住宅の場合及び5階建集合住宅
の場合についてまとめられています。

RM構造計算例(3階建個人住宅)

目次

1. 一般事項
 1.1 建築物概要
 1.2 構造設計方針
 1.3 使用材料および許容応力度ならびに材料定数
 1.4 床伏図・軸組図
 1.5 仮定荷重

2. 耐力壁の検討
 2.1 耐力壁の水平断面積
 2.2 耐力壁の配置

3. 鉛直荷重時の軸方向力

4. 地震力
 4.1 地震力算定用重量
 4.2 地震時層せん断力

5. 応力・変形解析
 5.1 準備計算
 5.2 鉛直荷重時応力
 5.3 水平荷重時応力

6. 層間変形角・剛性率・偏心率
 6.1 層間変形角
 6.2 偏心率

7. 壁ばり、耐力壁の断面設計
 7.1 壁ばりの設計
 7.2 耐力壁の設計

8. スラブの設計

9. 基礎の設計

10. 総曲げ抵抗モーメントの検討
 10.1 総曲げ抵抗モーメント
 10.2 壁ばりの曲げ強度
 10.3 1階耐力壁の脚部の曲げ耐力

11. 構造図

5階建集合住宅

R M 構 造 設 計 例(5 階 建 集 合 住 宅)

目     次

1. 一 般 事 項
 1.1 建築物概要
 1.2 構造設計方針等
 1.3 使用材料、許容応力度及び材料強度
 1.4 荷 重

2. 耐力壁の検討
 2.1 耐力壁符号及び配置
 2.2 耐力壁の水平断面積
 2.3 地震力の算定
 2.4 壁量の検討(参考)

3. 鉛直荷重時応力の算定
 3.1 耐力壁の長期軸方向力および圧縮応力度
 3.2 壁ばりの鉛直荷重時応力

4. 水平荷重時応力の算定
 4.1 地震力の算定
 4.2 応力・変形解析
 4.3 水平荷重時応力図
 4.4 剛性率と偏心率

5. 断面設計
 5.1 壁ばりの設計
 5.2 耐力壁の設計
 5.3 耐力壁・壁ばり接合部の設計
 5.4 付着・定着の検討

6. スラブの設計

7. 基礎の設計

8. 基礎ばりの設計

9. 保有水平耐力の算定
 9.1 算定方針等
 9.2 X方向保有水平耐力の算定
 9.3 Y方向保有水平耐力の算定

10. 構造図

13鉄筋コンクリート組積造に関係する建築基準法・
同施行令条文および告示

鉄筋コンクリート組積造に関係する建築基準法・同施行令条文および告示(pdf)

注意:告示第463号の第10第3号、並びに第11第1号の文中の「イからハ」はそれぞれ「イからニ」と読み替えてください。

14RM構造材料の品質と施工(under construction)

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